自己破産の理由や事例を解説!

そもそも、人はどのような理由で自己破産をしてしまうのでしょうか?

ギャンブルなどの浪費による借金が原因でしょうか。

いいえ違います。

借金自己破産をしてしまう人の中で最も多い理由は低所得や生活苦の原因による多重責務に陥るということです。

低所得や生活苦を原因とした自己破産は、全体の6割を占めております。

この記事では、低所得や生活苦に陥り自己破産をする原因となった事例を3件紹介します。 

 

1.生活費の低下が原因となった事例

生活費の低下には収入減が大きく影響します。

勤続年数が長くなることでの昇給を予定していたり、残業代ありきで生活をしていた人が会社の業績不振による減給や残業代カットによる収入減が最も多い原因となります。

さらには会社が倒産するなどで収入がまったく無くなることもあります。

このような時に十分な貯蓄がない場合は生活費を捻出するための借金が増え、所得の増加も見込めず、借金が返済できないために自己破産するケースが多くあります。

 

2.教育費や医療費のかさみが原因となった事例

教育費や医療費の問題は40代に多い事例になります。

子供の教育費や親の医療費など、家族の出費が増えることで貯蓄があっても急な出費によって借金がかさんでしまうケースがあります。

また、若いころに無理をして仕事をしたいたことも原因となり自分自身も病気になったことをきっかけに今までのように働くことができなくなり、結果収入も減ることで借金が膨らみ返済できないために自己破産するケースもあります。

 

3.負債の返済が原因となった事例 

負債の返済とは借金返済のために借金をすることです。

いわゆる自転車操業に陥ってしまうことです。

20代では学生時代の奨学金の返済の為に、借金をするというケースも増えてきています。

奨学金を使って大学に入ったものの、就職活動がうまくいかず、奨学金の返済ができるような企業にも入ることができずに奨学金返済の為に借金をし、借金返済の為にまた借金をして自己破産するケースがあります。

 

4.最後に

自己破産をする一番の原因は、低所得による生活苦となります。

急な出費の際に借金をしてしまうことがあり、そこから徐々に借金が膨らんでしまうことが自己破産に繋がることになります。

自己破産にはメリットもデメリットもあります。

自己破産は多額の借金を抱えて返済不能になってしまった人の生活を再建する為に法律で定められた正当な手段になります。

適切に手続きを行えば借金から解放され、新たなスタートを切ることができます。

自己破産ができない場合とは?

 

そもそも自己破産とはどのような事をいうのでしょうか?

自己破産とは収入と借金のバランスが崩れ、収入が不足し借金返済の見込みがたたないことを裁判所に認めてもらい、合法的に借金から逃れる手続きの事を言います。

しかし、借金が多いだけでは自己破産ができない場合があります

この記事では、自己破産できない理由として挙げられる4つのケースについて説明します。

 

1.支払い不能に当たらないケース

支払い不能とは自力で借金を返していく事ができないことを言います。

自己破産とは支払い不能な状態でなければ認められません。

短期失業等の一時的な支払いができないという理由ではなく、長い目でみた時に、抱えている借金を返済できる見通しが立たない状態である必要があります。

最終的には、毎月の収入や支出を総合的に考慮して裁判所が判断します。

 

2.自己破産の予納金が支払えないケース

自己破産するにもお金がかかります。

自己破産手続きを進めるための費用として、事件によっては裁判所に予納金20万円納める必要があります。

この予納金20万円を支払う事ができなければ自己破産をする事はできません。

また、手続きを申し立てるとなると法的な知識も必要になりますので個人では難しいです。

その際は、弁護士に頼む必要がありますので、弁護士費用として30〜40万円かかります。

結果、自己破産するには合計約60万円必要になります。

 

3.免責不許可事由に該当するケース

免責不許可事由とは、借金を作った原因や行動に一定の問題がある場合は、裁判所の判断により返済免除(自己破産)を認めてもらえないことを言います。

例えば、財産隠し(貯金がある)・ギャンブル・過大な浪費・投資などを原因とした借金になります。

また、裁判所に事実と異なる説明を行ったり、7年以内に2度の自己破産の申請を行う事は免責不許可事由に該当する事になります。

 

4.100万円以下の責務であるケース

責務が少額の場合は自己破産が認められない事があります。

100万円という基準の根拠は、一般的には借金総額が年収の3分の1を超過していない場合は客観的に見た際、返済可能な金額として判断されるためです。

 

5.最後に

この記事では自己破産ができないケースについて説明しました。

自己破産はどのような場合にも認められるものではなく、破産法で定める一定の条件を満たしている必要があります。

また、自己破産が可能だとしても、しない方がよいケースもあります。

自己破産にはメリットもデメリットもあります。

正確な情報を身につけてより良い判断をする必要があります。

 

破産時の財産隠しは合法か?

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1.支払で追い詰められていくと
人は追い詰められてくると、
目の前のことで精一杯になって周りが見えてこなくなります。
他方でどこかに冷静な視点がある場合もあります。
例えば何かアクシデントがあるとその対処で頭が混乱しますが、
頭の片隅には「でも、これだけは何とかしないと大変なことになる」
と考えているような場合です。
債務が膨らみ返済に追われている時も同じような状況にあると言えるでしょう。
目の前の返済期日までに支払を済まさなければならない、
「このままでは非常にまずい、
だから何かあったときに財産を護りたいから、
これをどこかに隠さなければ」
と思っても、それは不思議なことではありません。
ここでは、その財産隠しについて見ていきます。

2.財産隠しの手口
まず、もっとも手っ取り早いのが預貯金などの財産を隠すことでしょう。
例えば現金を引き出して自宅のどこかに隠してしまうやり方です。
いわゆるタンス預金です。
その他には引き出した現金を親族の通帳に入れたりして
預かってもらうなどが考えられます。
他には破産申立をするときには
所有している財産などを記載しなければなりませんが、
その書類に記載しないというケースもあります。

3.財産隠し・不動産の場合
次に不動産について見ていきます。
例えば自宅を守りたいために名義を親族に変えるなどです。
登記簿を見ると破産申立直前に「売買」や「贈与」で
登記名義を変えるケースが考えられます。
更に離婚をして「財産分与」で元配偶者に渡すということもあるでしょう。

4.財産隠しは法律上問題ないのか?
これらのケースは果たして問題ないのでしょうか?
結論から言うと、問題がないはずがありません。
全てクロです。
破産申立をするにあたっては色々な書類を準備して作成しなければなりません。
先ほど資産を書く項目があると伝えましたが、
その他にも直近で処分した財産がないのか、
直近の収支はどうかなど、多岐にわたって書類を準備していきます。
もし財産隠しがあったような場合は、
一連の書類から不自然さがクローズアップされるので
裁判所としては破産申立をした人への心証が悪くなるでしょう。
また管財人が就いたような場合には、郵便物が管財人の下に転送されますので、
隠していた財産もここでバレてしまいます。
後で財産隠しが判明した場合は、免責不許可になる可能性が高いですし、
詐欺破産罪で逮捕される可能性も否定できません。
隠すのは人情かもしれませんが、
後で受ける不利益的制裁を考えると慎みたいところです。

5.財産隠しで名義を変えた不動産はどうなるのか?
では名義を変えた不動産等はどうなるのでしょうか?
これは管財人等で否認権を行使される可能性があります。
これを行使されると名義は再び破産者の下に戻ります。

6.終わりに
これまで財産隠しの手口を見てきました。
追い詰められる異常な精神状態の下での行為ですから、
心理的にはわからなくはない面もあります。
しかし、それでは債権者が受ける不利益を考えると公平とは言えません。
財産隠しが明るみにでて受けるダメージを考えると、
絶対にやってはいけないことですので注意してください。

破産すると職業制限はあるのか?

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1.破産すると職業制限はあるのか?
破産という言葉には思い響きがあります。
借金が返せなくなって裁判所に申し立てをして、
支払の義務を免責してもらう制度です。
この制度を利用することで支払の義務は免れますが、
信用情報には数年間記録が残りますから
借入は事実上できなくなるなどデメリットもあります。
それでは破産した人が会社の役員などに就任できるのでしょうか?
また会社の役員が自己破産した場合は、
役員を辞任しないといけないのでしょうか?
今回は破産と会社に関連する職業制限について見ていきます。

2.雇用契約について
まず会社と従業員の関係ですが、
これは雇用契約によって成り立っています。
会社が破産した場合は倒産したことになり、
雇用契約はそこで終了となります。
他方で従業員が破産しても、
原則として雇用契約は終了しません。
会社から解雇されることもありません。
ただ警備員など一定の職業は自己破産すると職に就けませんので注意が必要です。

3.会社の役員について
次に会社の役員について見ていきます。
会社の役員は取締役や代表取締役、監査役などがいますが、
この方達と会社との関係は委任契約になります。
会社から依頼を受けて会社の意思を決定し業務を執行する役割を担います。
そしてこの委任契約は委任者である会社、又は受任者である役員個人、
どちらかに破産手続開始決定があると委任契約が終了することになっています。
ところが、会社の役員については、
破産しても役員になれないという規定がありません。
要するに破産していても会社の役員を辞任する必要はありませんし、
就任することも可能です。
とはいっても、破産にはそれなりの事情があるはずです。
破産された方を会社の役員に迎える場合には、
その辺の事情を聞き取りする必要があるでしょう。

4.外国人の場合
2022年現在はコロナの影響で外国人の入国が難しい状況ですが、
国際化の要望を踏まえて会社の役員に外国人を迎える会社も増えてきたと思います。
以前は代表取締役のうち、
少なくとも1名は日本に住所を有していることが必要との制約がありましたが、
それも撤廃されました。
ただ注意したいことがあります。
外国人で債務整理を行うことは日本人と同様に可能ですが、
それをすることで在留更新の要件を満たさなくなる可能性があります。
在留には複雑な要件があるのですが、
「生活の安定性」という要件を満たさず在留更新できずに
役員を下りないといけないリスクがあるのです。

5.終わりに
ここまで破産した場合の会社と役員の関係について中心に見てきました。
この法律上は問題なくても他の法律でネックになるということが、
この場面では顕著に現れてきます。
会社法では問題なくてもと判断する前に資格要件は大丈夫なのかなど、
視野を広げて債務整理の方針を決めていきたいところです。

役員が負う責任

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1.役員になると
株式会社など法人の役員に就任すると高額の報酬がもらえるかもしれません。
他方で会社の役員が負う責任は大きく、
時には訴えられるリスクもあります。
このように役員はハイリスク・ハイリターンな立ち位置にあると言えます。
2005年の会社法改正前は株式会社の取締役は3人必要でした。
そのため名ばかりの役員が連なり、責任に対する意識が薄かった感も否めません
それでは役員とはどのような場合に責任を負うのか、
ここでは株式会社の取締役を中心に見ていきます。

2.経営責任のポイント
まず株式会社では機関が大きく3つに分かれます。
一つは株主で構成される株主総会、
次に会社の業務執行を決定する取締役(会)、
取締役の業務等を監査する監査役です。
その中で株主総会は会社の最高意思決定機関ですが、
現実は取締役が豊富な情報を有し業務の執行に当たっています。
その中にリスクは潜んでいるのですが、
どれがクロでどれがシロかは、はっきりとはわからないものです。

そこで判断基準となるのが事実の認識に不注意がなかったのか、
そして意思決定に不合理がなかったのか、という点です。

3.法律上、役員は責任を負いやすい作り込みです
例えば取締役が集まり業務のあり方を決定する会議として取締役会があります。
この会議で決められたことが取締役会議事録に記載されます。
これは一定の手続を経て閲覧することが法律上認められています。
その中で議案に明確に反対している、
又は異議を唱えているなどの文言がない限り、
出席した役員は賛成したものとの推定を受けます。
推定を受けるとは業務執行に賛同したのと、ほぼ同じ立ち位置にあります。
このように取締役等の役員は重い責任を負いやすい立場にあると言えます。

4.法人が破産した場合の責任
では、法人が破産した場合には、
いわゆる平の取締役等も弁済などの責任を負う立場にあるのでしょうか?
結論から言うと、それだけで平取締役が責任を負うとは言えないでしょう。
会社の意思決定に関与する立場にあるとはいえ、
法人と自然人は別人格であるからです。
もっとも経営者保証などのように保証人となっていた場合は、
保証債務を履行しなければなりません。
また破産に至るには色々な事情があるのが通常でしょうが、
その決定的な要因に関与しているのであれば、
会社を取り巻く利害関係人から責任の追及を受ける可能性はあります。

5.責任を軽減する方法など
このように会社等の役員に就任することは、
事業に大きく関与できて自分の意思を反映させやすい反面、
訴えられるなどのリスクを伴います。
株主総会に責任免除の議案を出す、
あるいは社外取締役等に就任する場合には責任限定契約を結ぶ、
役員賠償責任保険をかけるなど方法は考えられますが、
まずは現状だけでなく先を見越して経営判断をしていくことが必要ではないか、
そんな気がします。

むしばまれていく自尊心

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1.はじめに
人は大なり小なり夢があります。
夢を実現するためには自分を信じ、
時には我慢して辛いことなどを乗り越えていく場面が出てきます。
そのときに自分の力を信じ切ることができれば、
夢の実現への大きな原動力となるでしょう。
ところで借金を重ねる人は本当に愚かなのでしょうか?
借金を重ねるといわゆる多重債務となり、
借金を返せなくなって財産を差し押さえられ、
場合によっては自己破産する、
そういう負のスパイラルに陥ることがあります。
これは本当にレアなケースなのでしょうか?
私が思うに、その入り口は誰にでもあると思います。
私にもあなたにも。
今回は借金でがんじがらめになると、
人はどうなっていくのかについて見ていきます。


2.バブルがはじけるまで
私の身近であったことです。話は1980年頃に遡ります。
まだバブルの始まる前、
以前にも書きましたが私の祖父は
先祖から所有していた不動産を元に不動産業をしていました。
それは所有物件を利用した、
いわゆる身の丈にあったものだったと思ってます。
風向きが変わるのは父が経営するようになった頃。
時代はバブルを迎えます。
「不動産は下がらない」皆信じて疑わなかった頃に、
銀行から融資の話が持ち込まれます。
当初はその気もなかった父ですが、
何度も言われるうちに気が変わり
所有不動産を担保に新しい物件を購入して行きました。
時価は上がり、このときは絶頂期だったと思います。
しかし、そのような高揚感に浸れる時は一瞬でした。
バブルがはじけて時価は下がり、担保割れするようになったのです。
所有不動産と有り金を全て出しても返せそうにない負債が残りました。
でも、その頃はまだいずれ不動産は上がるとの楽観的な思いがありました。

 

3.風向きの変わった90年代半ば
歯車が狂うのは1990年代半ば、
毎週のように金融機関が倒産した頃からです。
銀行も回収の攻勢を強めてきました。
返済金額が足らず、父は事業者金融に手を出し始めたのです。
最初は「つなぎ」のつもりでしたが、
金利の高い業者から借りた結果、結局負債総額を増やすことになります。
こうなってくると人は徐々に周りが見えてこなくなります。
目の前のことで精一杯になるのです。
借金はギャンブルで増やした、
そういう人もいますが多くは真面目に返していこうとする人です。
返済のために無理を重ねて身動きがとれなくなるところまで進んでしまうのです。
その結果、神経をすり減らし眠れない日々を過ごすことになります。
また当時の消費者金融は返せなくなると一日に何回も電話をかけてきました。
これが更に自己嫌悪へとつながり、自尊心をすり減らしていきます。
その結果、心の病を負ったり、
場合によっては自らの命を絶ってしまうことにつながるのです。

 

4.終わりに
債務整理の相談を受けると、
今までの緊張感がはじけてワッと泣いてしまう人が多いものです。
数多の修羅場を経験し自分すら信じられなくなっていたのに、
第三者である法律家が相談者の悩みに向き合ってもらえて、
心の安堵感を得たからなのでしょう。
父は先祖に申し訳ない、この苦難を乗り越えたら何とかなると必死でしたが、
急に体が動かなくなり、
そこで第三者である法律家が介入して事態は沈静化しました。
当時あったもののほとんどは他人に渡ってしまいましたが、
今では落ち着いて生活しています。
このように借金を重ねてしまう入口は人によってバラバラです。
気がつくとはまり込んでいて心身を害することもあります。
歯車は突然狂うことがあります。
傷口を広げないよう、
いま本当に苦しい方は立ち止まる必要があるのではないかな、と思います。

租税債権に気をつけよう

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1.埋もれている租税債権
会社や個人事業主を取り巻く資金繰りの状況が悪化してくると、
返済の色々な面で悪い影響が出てきます。
支払先としては銀行、仕入れ先、従業員、
その他税金など多方面に渡ることでしょう。
そして、たいていの事業者は督促の厳しい所から支払っていきます
無担保で金銭の貸し付けを行っている業者は
貸し倒れになるリスクが有担保の業者よりも高いので、
督促が厳しくなるのは自然の流れでしょう。
そしてやはり支払う側も人間ですので、うるさく言われたくないから、
そういう所から支払っていくのです。
では、先ほど挙げた債権者の中で、
租税は他の債権者よりも一見「大人しく」思えます。
それでは租税債権とはどのようなものなのでしょうか、
ここではその点について見ていきます。

 

2.租税債権の特有性(執行面)
通常、私人間の権利関係は自力救済が禁止されています。
これを認めると力の強い者が弱い者を力で駆逐することになってしまうからです。
ですので、たとえ貸金という権利があるとしても
自力で差押等をすることはできず、一度裁判にかけて判決を取り、
その債務名義で債務者の財産に差押をするという手続を取っていくことになります
他方、租税債権についてですが、
このように裁判手続を踏んで差押をかける必要はありません。
租税債権は即座に債務者の財産に執行をかけることが可能となっています

 

3.租税債権の特有性(破産面)
では、破産手続に入った場合はどうなるのでしょうか?
この点、民事上の債権も租税債権も破産債権となる点は同じです
破産債権とは、破産手続開始前の原因に基づいて生じた財産上の請求権であり、
財団債権に該当しないもののことを言います。
ただ私法上の債権とは異なり、
租税債権は優先的に扱われるもの・劣後して扱われるものの二つに分かれます
破産手続は全ての破産者の財産を金銭に換価して配当を行い免責する制度ですが、
この配当において他の破産債権より優先的に配当を受ける債権が
租税の中には存在するのです

 

4.租税債権の特有性(免責後)
そして破産手続が終結して免責決定が出たとします。
個人事業主であれば免責決定が出ると、
破産債権者から請求を受けることはありません
ただし所得税や贈与税等の国税や国民健康保険の保険料、国民年金の保険料、
そして固定資産税などの、いわゆる税金は、
たとえ破産手続が終わり免責決定を得たとしても免責されることはありません
依然として支払の義務が残ることになります。
なお、法人は法人という主体が消滅するので、租税債権の支払義務も消滅します。

 

5.終わりに
債務整理を考えていく上で、
まず考えるのが辛い督促と返済の日々からの解放でしょう。
確かに債務整理を選択し、その方針が破産ですと
多くの債権で免責を受けることになります。
ところが、執行面や破産手続の面、
免責後の局面において租税債権は私人間の債権と異なる扱いになっています。
特に個人の免責決定後も、なお負担しなければならない点は要注意です。
この租税債権の扱いには注意して下さい。

保証の改正点・公正証書が必要な場合が出来ました

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1.保証債務の入り口は・・
金銭消費貸借契約等で出てくる保証人とは、
本来は主たる債務者の支払がない場合に支払義務を背負う立場にある者です。
主債務者に請求しないで保証人に請求してきた場合には、
まず主債務者に請求して下さいと言える権利が普通の保証人にはあります。
ところが、実務上はそのような抗弁権のない連帯保証であることがが大半です
中には、根保証という重いものもあります
保証人になって大変な思いをした、
破産したという話は星の数ほどあります。
ですが、それでも保証人になる人はいます。
中には銀行から融資を受けるために代表者が個人保証をする場合があります。
あるいは友人知人から頼まれて断り切れずに保証人になる人もいます
保証には補充性の他に、
軽率性・情緒性があると言われるのは、ここに起因します
そのため、近時の法改正で、入り口を制限しようと
保証のあらゆる所で改正が行われました。
ここでは、その改正点についてみていきます。

 

2.保証の改正点
まず、①保証債務は書面でしなければならないという点です
2004年の法改正で要式性を求められるようになりました。
口約束で安易に保証人になろうとするのを防ぐ手立てです。
次に、主たる債務者は事業のために根保証人になろうとしている人に対して、
資産状況を開示しなければならなくなりました
開示対象は自身の資産や他に借入がある場合は、それらが対象となります。
さらに保証契約締結後には、
保証人は債権者に対して主たる債務の履行状況について
情報を開示する義務を負うことになりました
また④債権者は、主債務者の期限の利益喪失があった場合は、
知った時から2ヶ月以内に保証人に通知をしなければならなくなりました
この通知を怠った場合は、
期限の利益喪失時から通知をした時までの遅延損害金を
保証人に請求することはできなくなりました

 

3.一定の場合には公正証書が必要になりました
この保証人保護の施策の目玉と言えるのは、公正証書の作成でしょう。
事業のために負担した貸金等債務の保証人(根保証人を含む)になろうとする者は、
保証契約締結前の1ヶ月以内に公正証書を作成しなければならなくなりました
保証人の代理人が手続することは許されず、
事後に追認することも認められません
減額な手続を設けて、安易に保証人になることを回避しているのです。
なお、この公正証書の作成後、1ヶ月以内に別に保証契約を結ぶ必要があります

 

4.終わりに
破産するのには色々な原因があります。
その要因の一つが保証人になってしまったという点でした。
1990年代後半に社会問題となった、
事業者ローン問題の一つに根保証等がありました。
それらの背景事情をくみ取って2020年の法改正で保証の入り口を狭め、
安易に保証人になることを法は防ごうとしているのです。
ただ、この手の問題は時間が経てば抜け穴ができてしまう可能性があります
やはり私たちが書類への署名押印に
日頃から気をつけることが先ずは大切だと感じます