自己破産時に持っていた車はどうなる?

f:id:hatehate0204:20210305163346j:plain

1.はじめに
自己破産した時に、すでに車を持っていることも少なくないと思います。
この場合、保有している車はどうなるのでしょうか。
ローンがある場合や車の価値がほとんどない場合など、いくつかのケースが考えられます。
そのケースごとに、車の取扱いについて知っておきましょう。

 

2.自己破産時に持っていた車はどうなる?

自動車ローンが残っている場合
自動車ローンが残ったまま自己破産する場合、その自動車ローンも免責の対象となります。
そのため、自己破産した後には自動車ローンの返済義務は消滅します。

一方で、自動車ローンが残っている間、そのローンの対象となっている車の名義人はローンの債権者やディーラーになっています。
そのため、自己破産した時点で、車はその名義人の会社に引き上げられるのです。
したがって、自動車ローンが残った状態で自己破産した場合、その車を使い続けることはできません。

 

自動車ローンがない状態で車の価値が20万円を超える場合
車を現金払いで購入し、あるいは自動車ローンをすでに完済した場合は、車の名義は購入した本人になっています。
またこの場合、免責の対象となる債務に車に関係するものはありません。
ただ、車自体に価値がある場合は、その車を売却してお金に換え、債権者への返済にあてられます
そのため、車自体を差し押さえられるのです。

車自体の価値が20万円を超える場合は、基本的に差し押さえの対象となります。
ただ、例外的に差し押さえを免れる場合もあります。
公共交通機関を利用するのでは生活がままならないような場所では、車を残しておくことが認められる場合があるのです。
特に、通院や介護といった事情がある場合には、そのような事情を考慮してもらえる可能性があります。
また、破産者の財産が車も含めて99万円未満の場合には、車の価値が20万円を超える場合でも、所有が認められる場合があります。

 

自動車ローンがない状態で車の価値が20万円以下の場合
自動車ローンの残高がなく、車自体の価値が20万円以下の場合、車は自由財産となるため、没収されることはありません
そのため、自己破産してもそのまま車に乗り続けることができるのです。

 

3.自己破産後に車に乗る方法
自己破産すると、多くのケースでは車は換価するために没収されてしまいます。
しかし、生活するうえで車が必要なために、できれば車を手に入れたいと考えることと思います。
ただ、いったん車を没収されてしまうと、その後すぐにローンを組むことができないため、車を手にすることは簡単ではありません。
そこで、どのような方法で車を入手することができるのか、その方法を考えてみました。

 

現金で購入する
自動車ローンを利用することができなくても、現金で車を購入することは問題ありません
信用情報の自己破産の記録が消えてしまう前に車に乗りたい場合には、現金で購入できる車を購入しましょう。

自己破産した時に、銀行預金や現金の大半は没収されてしまいます。
そのため、車の購入資金として利用できるのは、自己破産した後に貯めた現金となります。

 

カーリースを利用する
リース会社が保有する車を、毎月の利用料を支払って利用する方法です。
月々の支払金額を抑えることができるため、現金で購入する場合より高額な車に乗ることもできます。
ただ、カーリースを利用する際には、リース会社の審査を受ける必要があります
自己破産した記録が信用情報機関に残っている間は、自動車ローンと同様に審査に通らない可能性が高くなります。
したがって、絶対に利用できる方法ではないということは覚えておく必要があります。

 

レンタカーやカーシェアリングを利用する
毎日の通勤に車を使う必要がない人は、車が必要な時だけ、レンタカーやカーシェアリングを利用することも検討してみましょう。
車を保有することにより、自動車税などの税金、自動車保険、駐車場代、ガソリン代など多くの維持費がかかります。
しかし、車を保有せずに、必要な時だけ利用するようにすれば、支出を大幅に減らすことができるのです。
本当に車がなければ生活できないのか、考えてみるのもいいかもしれません。

 


自己破産する際に自動車を保有していると、その自動車は没収されて債権者への支払にあてられることとなります。
そのため、大半のケースでは車を手放さざるを得ません。
しかし、車を日常的に利用している人にとっては、自己破産で車がなくなっても、またすぐに必要になります。
ただ、車を購入しようとしても、自動車ローンを利用できないために購入できないという問題があります。
自動車ローンの審査が通るのは5~10年後となるため、どうしても車が必要になる場合は、現金で購入することを考えましょう。
また、自己破産していると、時間が経過していても自動車ローンの審査には通りにくくなってしまいます。
そのため、ローンの審査を受ける前にローンに通りやすくなるための行動をできるだけ多くしておきましょう。